『ゲンロン11.5』特設ページ

■ A5判|本体124頁|2020年10月発行

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「帝国」としてのロシアを考える|つながりロシア第9回/小泉悠
多角的な視点でロシアについて考える連載「つながりロシア」から、『「帝国」ロシアの地政学』の著者小泉悠さんによるエッセイを収録。ソビエト崩壊以降、「ロシア」とはなにを指すのかに直面した大国の葛藤を考察します。


観光客の哲学の余白に|第17回|『カラマーゾフの兄弟』は「軽井沢殺人事件」だった──ドストエフスキーとシミュラークル(2)/東浩紀
東浩紀によるドストエフスキーの「聖地巡礼」録の第2回。虚構に満ちたペテルブルクを逃れ、ドストエフスキーがたどり着いたスターラヤ・ルッサは、「軽井沢」のような町だった? 『カラマーゾフの兄弟』の舞台について再考します。


五反田の夜を遠くはなれて──ワールドコン・ダブリン報告|SFつながり第3回/櫻木みわ
ゲンロンと縁の深いSF作家によるリレーエッセイ「SFつながり」。櫻木みわさんが2019年にダブリンで開催されたワールドコン(世界SF大会)に参加したレポートを掲載します。美しい街の風景と、同地での忘れられない出会い。再録にあたり、コロナ禍を受けて書き下ろされた追記も収録です。


愛について──符合の現代文化論|第3回|少女漫画と齟齬の戦略(1)/さやわか
映画、ドラマ、漫画など、幅広いジャンルを扱いながら「記号と意味」の関係を考えるさやわかさんの連載から、反響の大きかったシリーズ「少女漫画と齟齬の戦略」の第1回を掲載。山岸凉子が少女漫画の絵柄にもたらした変革とその意味とは?


極東の「右」ハンドルとポスト帝国の想像力|つながりロシア第11回/ワシーリイ・アフチェンコ|聞き手=東浩紀+上田洋子
「つながりロシア」の特別記事として公開された、作家ワシーリイ・アフチェンコへのインタビューです。ロシアの極東ウラジオストクで、右ハンドル=日本車が愛される理由と、その政治的意味とは。1991年/1945年という歴史の切断線を問いなおします。


世界は五反田から始まった|第16回|アイウエオの歌/星野博美
五反田の戦時といまをつなぐ星野博美さんのエッセイ。かつて五反田は、プロレタリア文学に登場する「聖地」だった? 小林多喜二の『党生活者』、そして宮本百合子の小説『乳房』から、かつてこの地に存在した無産者託児所の記憶を辿ります。


亡霊建築論|第6回(最終回)|ガラスのユートピアとその亡霊/本田晃子
ソ連の建てられざる建築をめぐる人気連載の最終回を収録。ソビエトの建築にとって特権的な素材であったガラスは、「見えているものを見えないふりをする」ソ連そのものを表象していた? その透明さと脆さを主題としたブロツキーとウトキンのアンビルト建築を紹介します。


感染症、憲法、ジェンダー|ニッポンの保守──2020年桜の陣/小林よしのり+三浦瑠麗+東浩紀
『ゲンロンα』オープン時から3回に分けて公開され、大きな反響を呼んだ座談会。コロナウイルスパニックによって始まった2020年代に、国家はどのようにあるべきなのか。皇室、憲法、そしてジェンダーをめぐる侃々諤々の議論を一本にして再録します。


当事者から共事者へ|第5回|「真実」が開く共事の回路/小松理虔
社会の、個人の抱える課題への新しい関わり方「共事」を模索する連載。柳美里さん率いる「青春五月党」の演劇を見たあと、フィクションと街歩きが似ていると気づいたという小松さん。自分のルーツである「字あざ」を知ることで見えた新たな連帯の回路とは。


北のセーフイメージ|第1回|病と支配のアイヌ絵史/春木晶子
アイヌを描いた絵画に秘められた意味を探る春木さんによる論考から、《種痘施行図》を分析した初回を収録しました。アイヌが種痘を受ける様子を描いたこの絵は、なぜ広く江戸に流布することになったのか。疱瘡絵の伝統から「安心」への欲望を読み解きます。


イスラエルにおけるコロナ禍|ユダヤ教超正統派と世俗派のあいだで/山森みか
『ゲンロンα』で公開され人気を博した、山森みかさんによるエッセイです。様々なグラデーションを持ちながら、生活のなかにユダヤ教の教えが根差すイスラエル。その生活にコロナウイルスがもたらされたとき、宗教儀礼はどのように変化し、政府はどんな対応を取ったのか。


日付のあるノート、もしくは日記のようなもの|第1回|人生について考えると抽象が気になってくる」4月29日から6月10日/田中功起
6月に始まったばかりの田中功起さんによる新連載。その初回をはやくも収録です。個人的で社会的な「日付」を記したテキストという形式で、具体性と抽象性の関係を考えなおします。アーティストの人生と作品を切り分ける考え方は、はたして妥当なのか?